人工臓器
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代用赤血球としてのピリドキシル化ヘモグロビンの分離と保存
関口 定美伊藤 敬三乙竹 信之池田 久實笹川 滋
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1985 年 14 巻 6 号 p. 1998-1999

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抄録

ストローマフリーヘモグロビン(SFH)をピリドキシル化(PLP化)して得たピリドキシル化ヘモグロビン(PLP-Hb)に含まれる未反応のSFHを, 陰イオン交換樹脂であるDEAE Sephadex A-50を用いて分離することができた. また, SFHのPLP化により2種のPLP-Hb誘導体が生じていることが確認され, それぞれのP50値は, 17.5, 24.5mmHgであった(赤血球のP50値は25~26mmHg, SFHのP50値は10.5mmHg). 分離したPLP-Hb誘導体の保存における安定性を調べたところ, 2種の誘導体とも4℃では, 少なくとも4週間は安定であり, PLP-Hb誘導体の代用赤血球としての有用性が示された.

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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