LVADの装置機器は高価であり, また入手の困難さから一般の施設に普及するに至っていない。そこで我々は, 拍動流体外循環用バルーンを利用したLVAD (PBP-LVAD)を考案し, その機械的特性についてMock回路を用いて調べた。逆流防止弁を内臓するハウジングは硬質アクリル製で, PBPを1基使用する直型(Single type)と2基併列使用するとY型(Double type)を作製した。最大ポンプ流量は収縮時間比36%で得られ, Single typeで4.3l/m Double typeで6.7l/m拍出し得た。駆動陽圧300mmHg, 陰圧30mmHgと設定すると, 後負荷40~140mmHgの範囲では, Single typeで3.5~3.7l/m, Double typeで3.9~4.9l/mとほぼ満足すべき流量が得られた。総充損量は各々, 約100ml及び180mlと比較的少く, 今後の改良により十分臨床使用が可能と思われた。