人工臓器
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PBP-LVADの機械的特性について
古川 斉中川 康次芝入 正雄増田 政久山本 和夫北川 学代椎原 秀茂鶴田 好孝柏木 福和奥井 勝二
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1986 年 15 巻 2 号 p. 469-472

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抄録

LVADの装置機器は高価であり, また入手の困難さから一般の施設に普及するに至っていない。そこで我々は, 拍動流体外循環用バルーンを利用したLVAD (PBP-LVAD)を考案し, その機械的特性についてMock回路を用いて調べた。逆流防止弁を内臓するハウジングは硬質アクリル製で, PBPを1基使用する直型(Single type)と2基併列使用するとY型(Double type)を作製した。最大ポンプ流量は収縮時間比36%で得られ, Single typeで4.3l/m Double typeで6.7l/m拍出し得た。駆動陽圧300mmHg, 陰圧30mmHgと設定すると, 後負荷40~140mmHgの範囲では, Single typeで3.5~3.7l/m, Double typeで3.9~4.9l/mとほぼ満足すべき流量が得られた。総充損量は各々, 約100ml及び180mlと比較的少く, 今後の改良により十分臨床使用が可能と思われた。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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