人工臓器
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左心バイパス時の右心不全対策に関する臨床的ならびに実験的検討
松山 謙新田 隆原田 厚五味 渕誠池下 正敏田中 茂夫山手 昇庄司 佑高野 照夫
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1986 年 15 巻 2 号 p. 608-611

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抄録
開心術後人工心肺離脱不能例3例に対し左房脱血による左心バイパスを行ない2例に右心不全を認めた。心マッサージ, 循環血液量負荷, イソプロテレノール使用等により1例は左心バイパスより離脱したが, 他の1例は右心不全にて左心バイパス続行不能となり失った。次に左心バイパス時及び左心容量負荷時の右心機能を検討するため, 雑種成犬の右心拍出量を一定としたモデルにて実験を行った。左心バイパス率及び左心容量負荷率を変化させ血行動態の各種パラメーターを測定し, さらに冠動脈第1中隔枝を結紮後にても同様に行ない, 中隔の関与につき検討した。左心バイパス率を上昇するにしたがい右室dp/dtは有意に減少した。又逆に左心容量負荷を加えると負荷率が増加するにつれ, 右室dp/dtは有意に上昇, 右室自由壁ストレンゲージは有意に減少した。中隔枝を結紮すると, 左心容量負荷を加えても右室dp/dtの上昇はみとめず, RVSGは低下した。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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