Shiley M-2000膜型肺の臨床使用経験を, Copiox II膜型肺及びShiley 100A気泡型肺と比較検討した。Shiley M-2000膜型肺は, 他の二者と対比して操作が容易であった。ガス交換能を検討した結果, 三者とも良好なガス交換能が得られたが, 膜型肺では高酸素化の傾向がみられた。いずれの人工肺においても, 適正なPaCO2の維持は酸素流量を調節することによって容易に行い得た。血液成分に関する検討においては, β-TG・血漿遊離Hbでは3群の間に差異はみられなかったが, 膜型肺においては血小板数が手術の翌日に回復する傾向がみられた。この血小板の循環血中への早期復帰は, 膜型肺の一つの特徴と考えられた。