人工臓器
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PGI2誘導体OP―41483の間歇的投与によるECMOの実験的検討
石橋 義光坂入 隆人高平 真山崎 亮竹田 治土酒井 圭輔田辺 達三
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1986 年 15 巻 2 号 p. 946-949

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抄録

雑種成犬16頭を用い、経気管的にリノール酸を注入し重症呼吸不全犬を作製し、呼吸不全犬群(GI) Pumpless A-V群(GII)、V-A群(GIII) V-A+OP41483 (PGI2誘導体) (GIV)の4群に分け、かかる重症呼吸不全犬に対するECMOの限界、OPの有効性について検討した。ECMO施行群は、有意に平均生存時間の延長を認めた。また、G-IIIはG-IIに対し有意に生存時間の延長を認めた。OPを使用しなかったG-IIIでは6 keto PGF/TXB2比が経時的に低下し0.2~0.5であったが、G-IVでは徐々に増加(リノール酸注入後8時間後は1.04とほぼ注入前と同じ値を示した。病理学的検索でもOPを用いなかった群では肺細小動脈内に多数の血栓を認めたがG-IVでは散見されるにすぎなかった。重症呼吸不全犬に対するV-AによるECMOにOPを加えた群では生存時間の延長はなかったが、内因性プロスタノイド、病理所見からみて有用と考えられた。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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