人工臓器
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CAVH(continuous arterioverious hemofiltration)に関する基礎的研究
―特にEVLW及び循環動態に与える影響―
室谷 典義平澤 博之小林 弘忠添田 耕司菅井 桂雄林 春幸伊藤 靖大島 郁也小高 通夫磯野 可一嶋田 俊恒入江 康文桜井 信也
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1986 年 15 巻 3 号 p. 1197-1200

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抄録

最近の患者管理の進歩はめざましく, 以前には失っていた症例も救命し得るようになって来た。一方ICUのcritical care等においては大量のcarrier waterを含むものの投与なしには治療が成立しないのが現状である。本研究は, 尿量が減少しており, 利尿剤に反応しない患者のexcess waterを簡便かつ安全に除去する方法の確立を目的とした。
雑種成犬及びビーグル成犬の両側尿管を結紮して病的溢水を作製し, 24時間CAVHを施行, その有効性, 安全性について検討した。血清総蛋白, 中心静脈圧, 筋肉内水分量, 動脈血ガス分析, EVLWの値の変化より病的盗水は改善されることが示された。また平均動脈圧, 心係数の変化より, 大量の除水を行なうにもかかわらず, CAVH施行時の血行動態は安定していることが示された。
以上より, 利尿剤に反応しない溢水の治療はCAVHにて簡便に有効かつ安全に旅行できることが示唆された。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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