1986 年 15 巻 3 号 p. 1379-1384
【目的】Sorbsystemでの透析液CO2を大気中に放出する装置 (CO2-DIFFUSER) を考案試作し, 本装置の有用性を検討した。【対象と方法】respirator装着患者および呼吸器疾患の無い慢性透析患者を対象とし本装置の有無により比較検討した。検討項目はpH, PCO2, HCO3互を透析液・血液で測定した。【結果】respirator群では本装置の有無により透析液PCO2はそれぞれ異った動態を示した。使用時では開始より終了まで上昇を認めず, 非使用時では1時間後よりPCO2の上昇が認められた。これは慢性透析患者群でも同様であった。透析液pHは使用時で非使用時に比し高値が維持された。その他血中pH, PCO2, HCO3ではrespiratoro群において1時間後に使用時, 非使用時で差が認められ, 本装置使用時にacidosis改善が非使用時に比し認められた。【結語】Sorbsystemを用いてrespiator装着患者に血液透析を行う場合, 本装置CO2-DIFFUSERを用いることにより, 透析液中のCO2を大気中に放出することが可能となり, 安全な治療が行えると思われた。