1986 年 15 巻 3 号 p. 1583-1586
血漿交換においてアルブミンの回収と免疫グロブリンの選択的除去の目的にて, 血漿を脱塩処理後, 生体にとって無害な酢酸, アスコルビン酸, グルタミン酸を添加しPHを5.0より6.8に調整し, アルブミンおよび各種免疫グロブリンの回収率を求めた。脱塩処理のみではアルブミンの高率の回収がみられたが, IgM以外の免疫グロブリンの除去は軽度であった。各種酸添加によりアルブミンの回収率はほゞー定であり, PH5.7で88±2.1%であった。IgMはPH5.7で38±6.5%, C3, C4の同条件下での回収率は24±2.7%, 9.5±1.0%であった。IgGは同条件で57±5.8%の回収率であった。以上の結果より血漿を脱塩処理後, PHを5.0-6.8に調整することにより高率のアルブミンの回収と, IgM, C3, C4の除去がえられた。