人工臓器
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体外循環離脱困難例2例における補助人工心臓の使用経験
丹治 雅博星野 俊一岩谷 文夫猪狩 次雄高野 光太郎安藤 正樹阿部 俊文萩原 賢一佐戸川 弘之渡辺 正明元木 良一浜田 修三板橋 邦宏島貫 公義
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1987 年 16 巻 1 号 p. 15-18

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抄録
体外循環離脱困難例2例に補助人工心臓を使用した。症例1は心筋梗塞後の心室中隔穿孔症例で、術前状態が悪くIABPと人工呼吸器から離脱できないまま手術を施行した。体外循環離脱時よりLVADを開始し、IABPとの併用にて術後45時間でLVADから離脱した。術後13日IABPを抜去し22日人工呼吸器から離脱、79日で退院した。症例2は大動脈弁及び僧帽弁置換術直後の心破裂症例で、LVAD開始20時間後に心停止となり救命できなかった。術前より体外循環からの離脱が困難と予想される症例においては、体外循環中にLVADの準備をし、積極的に早期より使用することも必要と考えられた。またLVADのweaningに関しては低流量と血栓形成の関係を考慮し、慎重なweaning計画が必要と考えられた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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