抄録
体外循環離脱困難例2例に補助人工心臓を使用した。症例1は心筋梗塞後の心室中隔穿孔症例で、術前状態が悪くIABPと人工呼吸器から離脱できないまま手術を施行した。体外循環離脱時よりLVADを開始し、IABPとの併用にて術後45時間でLVADから離脱した。術後13日IABPを抜去し22日人工呼吸器から離脱、79日で退院した。症例2は大動脈弁及び僧帽弁置換術直後の心破裂症例で、LVAD開始20時間後に心停止となり救命できなかった。術前より体外循環からの離脱が困難と予想される症例においては、体外循環中にLVADの準備をし、積極的に早期より使用することも必要と考えられた。またLVADのweaningに関しては低流量と血栓形成の関係を考慮し、慎重なweaning計画が必要と考えられた。