1987 年 16 巻 1 号 p. 412-415
シリコン被覆を有する心筋電極165本(最長18年, 平均7.9年), 経静脈電極158本(最長14年, 平均7.7年)を追跡して, 断線, 閾値上昇による電極使用中止から, 電極の寿命について検討した。Actuarial methodによる心筋電極の寿命は, 18年で77%, 経静脈電極では14年で93%であった。心筋電極の初期のモデルで断線が多発したが, 最近のねじ込み式電極では11年で86%であった。いつれの電極も断線, 閾値上昇は7~8年の間に発生しており, 10年以上経過例では, 心筋電極70本, 経静脈電極44本中, 心筋電極の1本で断線が認められたのみであった。12年経過例のシリコン被覆の変性は少く, 18年経過例の弾力性は低下したと考えられたが, 使用は可能であった。シリコン被覆のペースメーカー電極は10年以上経過しても耐久性は十分で, 使用可能と考えられた。