抄録
合成高分子膜およびセルロース系膜フィルターによる蛋白漏出性濾過透析を行ない, β2-マイクログロブリンを中心とした低分子量蛋白質の除去性能を評価した。β2-マイクログロブリンのSieving Coefficientでは, KF 101-15C:0.55, TAF 120S:0.40, Duo-Flux HP:0.32, H12-2400S:0.29, AM-2000UP:0.42, TF-E15P:0.33であり, 同様にアルブミンではKF 101-15C:0.08, TAF 120S:0.02, Duo-Flux HP, H12-2400S, AM-2000UPおよびTF-E15Pは0.01未満であった。β2-マイクログロブリンのアルブミンに対する漏出量比は, KF 101-15C:1.3%, TAF 120S:4.7%, Duo-Flux HP:9.1%, AM-2400UP:7.1%, TF-E15P:7.2%, H12-2400Sは312%であり, H12-2400S(PAN膜)においてアルブミンとβ2-マイクログロブリンの間でEVAL膜, セルロース系膜フィルターに比し急激な阻止率の低下が認められた。膜素材の異なる各種high-performance filterの除去性能より, 種々の症例に適応したフィルターの使用が可能となり得た。