人工臓器
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関東地方における東洋紡社製(国立循環器病センター型)補助人工心臓治験中間報告
許 俊鋭尾本 良三井上 正四津 良平小柳 仁井野 隆史榊原 高之細田 泰之弘岡 泰正鈴木 章夫松本 昭彦庄司 祐田中 茂夫二宮 淳一上野 明松川 哲之助橋本 良一長谷川 嗣夫青木 啓一高本 真一上村 重明川田 志明
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1989 年 18 巻 2 号 p. 471-475

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抄録
過去11ケ月間に, 関東地方の心臓外科15施設において, 東洋紡社製(国立循環器病センター型)補助人工心臓(VAD)の臨床治験を行い, 従来の方法では救命が不能と考えられた11例の高度心不全症例にVAD補助を実施し, その有効性と安全性に関し評価した。1) 使用期間は平均6日8時間で, 7例(64%)が高度心不全より回復してVADを離脱し2例(18%)が長期生存した。2) 血液ポンプは耐久性, 抗血栓性ともに優れ, 駆動装置の故障もみられず, 効果的に循環を管理し得たことより本システムは臨床的に安全かつ有効に使用し得, 臨床例への使用が可能と結論する。3) VADを常備しない, あるいは使用経験の殆どない施設においても, 迅速なシステムの移送体制と必要に応じての技術援助チーム(医師1~2名, ME技術員1名)の参加により優れた臨床成績をあげ得る事が期待され, 今後より多くの高度心不全患者が救命されるものと確信する。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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