抄録
横隔膜筋内電気刺激による横隔膜ペーシングを試みた。体温によるペーシングレートの制御機構を有する筋内刺激装置を試作した。雑種成犬を用いて、動物の横隔神経が横隔膜に付着する点から10mm外側の筋内部で左右1ヵ所ずつユニポーラ電極を装着した。cathodal, anodal及びbidirectional波形を用いて筋内刺激の特性を調べた。cathodal波形を用いると、滑らかな一回換気量の制御が容易にできることが判った。動物の代謝を発熱物質を経口投与して亢進させ、右房血液温によるレートの制御を試みた。筋内刺激においても、神経刺激と同様に、体温による制御は比較的中程度―高度の代謝亢進に対して有効な制御が得られることが判った。