人工臓器
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PAN-CX2膜, BK-P膜の蛋白吸着特性の検討
大坪 義信田上 潤潤田 裕二上園 敦子永山 尚子山下 亙原田 隆二有馬 暉勝佐伯 武頼斎藤 明
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1990 年 19 巻 2 号 p. 661-665

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抄録

PAN膜およびPMMA膜の低分子量蛋白の吸着特性を検討するために、血液透析に使用したフィルターを8M尿素溶液で再灌流し、再灌流液中の蛋白の分析を2次元電気泳動で行った。同時に各々の膜でRBP、Lysozyme、β2-MGの除去率Sieving coefficient (SC)を求め、これらの除去特性を合わせて検討した。PAN膜ではLysozymeのSCは低いにもかかわらず60%の除去率を示し、吸着による除去が示唆された。再灌流液の2次元電気泳動図では、β2-MG・Alb・Tfの他、かなりのスポットを認めた。PMMA膜ではβ2-MG、RBPのSCは低く、また再灌流液の2次元電気泳動図でβ2-MG、RBPのスポットを認め、これらの物質は吸着による除去が主体と考えられた。PMMA膜には、PAN膜では認められないIgG・RBPその他のスポットも認められ、各々の吸着特性に相違がみられた。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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