人工臓器
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血液透析による効果的なリン除去法の検討
織田 みどり蟹由 斉那須野 修一柴田 猛小椋 陽介大坪 修
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1990 年 19 巻 2 号 p. 687-689

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抄録
透析におけるリン除去を目的に、ダイアライザー及び酸塩基平衡の変化における除去効果について検討した。ダイアライザーは、FB190MとHigh flux TypeのFB190Uを使用した。酸塩基平衡の変化は、重炭酸透析液を用い、バイカーボ濃度27.5mEq/lと、透析前半3時間を20mEq/lに、後半3時間を27.5mEq/lと、段階的に変更した方法で比較した。3症例における6ヶ月間の血清リン値の推移を追った。
6時間の一回透析あたりのリン平均除去量は、FB190M使用群で1233±230mg、FB190U使用群で1389±211mg、FB190Uを使用し、バイカーボ濃度を変更した群では1508±94mgであった。FB190U及びバイカーボ濃度変更前の平均血清リン値は6.6±1.2mg、濃度変更6ヶ月後では6.2±0.7mgであった。
透析方法の変更により1回透析あたりのリン除去量は増大したが、長期における血清リン値には変化は見られなかった。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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