人工臓器
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FUTを用いる血漿灌流吸着療法の研究
―血漿回路チトラート抗凝固法の伴用―
山崎 善弥平石 守出月 康夫高浜 龍彦金井 福栄大西 靖井上 昇井出 光甚
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1990 年 19 巻 2 号 p. 981-984

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抄録
FUT-175(FUT)を抗凝固剤として用いた血漿灌流法で, 活性炭カラムを除いた各種吸着材(lmmusorba, Plasorba BR500, IONEX, Lyposorber, Biosynsorb)への血漿灌流は順調に施行された。活性炭カラムの場合, 灌流後間もなく吸着器への灌流圧力が高くなり, 灌流不能となった。かかる活性炭の抗凝固剤吸着に伴う問題を解決するため, 分離血漿にチトラート抗血凝固法を加える血漿灌流吸着療法につき検討した。血漿分離器Plasmaflo APO2活性炭カラムはPIasorba N180を用い, イヌを対象に, 活性炭血漿灌流を施行した。体外血液循環回路抗凝固法はFUT50mg/hをイヌの脱血側回路に注入し, 分離血漿カラム灌流回路のカラム前に血漿流量の1/10流量の3.8%チトラート液を注入する。本抗凝固法により活性炭血漿灌流は順調に施行された。今後かかる抗凝固剤を吸着する吸着材に対する本抗凝固法の適用が期待される。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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