人工臓器
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血液透析患者の血中に蓄積している蛋白結合物質の除去法の検討―血液透析と経口吸着剤について―
丹羽 利充江本 豊矢澤 智子宮崎 高志前田 憲志柴田 昌雄山田 宣夫西本 裕美子藤城 敏高
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1991 年 20 巻 1 号 p. 102-106

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抄録
血液透析患者の血清中にはインドキシル硫酸, 3-カルボキシ-4-メチル-5-プロピル-2-フランプロピオン酸(CMPF)が蛋白(アルブミン)結合して著明に蓄積している。これらの蛋白結合物質は通常の血液透析法では殆ど除去されないため, 1)ハイパフォーマンスメンブレンダイアライザーを用いたHD, および2)経口吸着剤による除去に関して検討した。
血清CMPFに関してはハイパフォーマンスメンブレンダイアライザー, あるいは経口吸着剤によっては除去されなかった。
血清インドキシル硫酸の除去率に関しては従来のダイアライザーを用いたHDよりFB-150U, PE1.25UDなどのハイパフォーマンスダイアライザーを用いたHDの方がやや優れていたが, 十分ではない。補助療法として経口吸着剤AST-120の投与が血清インドキシル硫酸濃度の低下に有効であった。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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