人工臓器
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慢性胆汁うっ滞症患者に対する長期間にわたる血漿浄化療法の検討
山下 正人阪本 寛之上野 幹彦下山 孝面川 進能勢 之彦
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1991 年 20 巻 1 号 p. 280-283

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抄録
慢性胆汁うっ滞症に対し血液浄化療法による一過性の減黄, 皮膚掻痒感の軽減など有効性が報告されているが, 長期にわたる報告は少ない。今回, 原発性胆汁性肝硬変症2例, 原発性硬化性胆管炎1例に対して, 約3~5年間と長期にわたり計299回の血漿浄化療法を行なった結果, 全例で皮膚掻痒感, 全身倦怠感の軽減が施行期間を通じて認められ, 総ビリルビン, 総コレステロール値の低下あるいは維持がみられ, 一方, 総蛋白, アルブミン値は, 低下することなく保たれた。これらより, 慢性胆汁うっ滞症に対する長期間にわたる血液浄化療法は, 臨床症状ないし所見の改善に寄与していると考えられた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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