人工臓器
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心臓のStarlingの法則の血液ポンプへの導入
高木 啓之高木 登志子
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1991 年 20 巻 3 号 p. 887-892

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抄録

心臓のStarlingの法則を人工の血液ポンプに導入するための制御器は、次の4メカニズムから成立している。
1)空気駆動のポンプを並列に接続し、交互にパンピングさせる。2)センサーの電圧でfilling、compressionの程度を規定し、デジタル化して電磁弁と連動させる。但し、1)により、電磁弁を開くサインは先着優先とし、同時に開となることを禁止する。3)センサーのデジタル化の出力信号と電磁弁の開動作との時間的差で拍出力の不適正度を計測し、空気圧を調整する。以上の方式により、静脈圧や動脈圧の変化に自動対応していつも流入量=拍出量となる。4)トリガー点をfilling側にして1サイクル中での空気圧の増減には増を禁止する事で、低静脈圧、低流入量時も安定し、陰圧発生を減少させ、心室壁と人工のチャンバー壁との差をより少なくする事が出来た。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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