人工臓器
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下行大動脈遮断下部分体外循環時の下半身臓器灌流量に関する検討
諸久 永大関 一名村 理岡崎 裕史高橋 善樹斉藤 憲林 純一江口 昭治
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1996 年 25 巻 1 号 p. 71-74

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抄録
胸部下行大動脈瘤や胸腹部大動脈瘤手術時の下半身への至適灌流量を決定することを目的に、成犬8頭を用いて、灌流温度変化に伴う下半身の血流量と酸素消費量、酸素飽和度との関係から検討した。まず上行・大腿動脈の2方向送血、上下大静脈脱血による完全体外循環から、灌流冷却に伴う上下半身での血流分配を検討し、次に、下半身のみを灌流する部分体外循環から、灌流量と酸素消費量、酸素飽和度との関係を検討して至適灌流量の決定を試みた。さらに、灌流冷却に伴う上半身の体温への影響を検討した。その結果、2方向送血時には、灌流冷却により下半身への血流量は減少した。下半身のみの灌流では、酸素消費量は灌流量、灌流温度の低下につれて減少した。灌流温度別にみた酸素消費量と灌流量の関係から、至適灌流量域が推測された。また、上半身体温への影響では、灌流量、灌流時間の増大に伴い、温度変動は増大した。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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