人工臓器
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Cryofiltrationの洗浄方法の改良による除去蛋白質の変化と除去効率
川村 明夫米川 元樹高橋 昌宏久木田 和丘目黒 順一玉置 透岡野 正裕柳田 尚之金子 紀鴨川 弘坂下 栄治
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1996 年 25 巻 3 号 p. 688-691

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抄録
Cryofiltration (CRYO)はヘパリンによる蛋白吸着である。二次フィルター内に吸着された蛋白はクライオジェルとして存在する。しかし、一定時間内の血漿の循環で形成されたクライオジェルがフィルターの膜孔を狭小化し、ついには閉塞させる。そこで、フィルター内の洗浄が必要になる。今回我々は2つの瀞法を検討した。A法はフィルター内圧が300mmHgに達した時点で200mlの生食で置換し、300mlの生食で洗浄を行い、B法は400mmHgに達した時点で50mlの生食による瀞を行った。置換液は用いなかった。洗浄は自動制御で行った。A法では4lの血漿循環でEDA (+) FNは73.2%除去され、B法では81.6%除去された。すなわち、B法では70%の循環血漿量でA法の100%にする効率を発揮し、この余裕分がCRYO操作時間の短縮につながった。一方、患者の体液量もA法は340mlの増加でB法は490m1の減少で、B法が有用であった。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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