人工臓器
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epcon HMSを用いた体外循環の検討
―至適ヘパリン・プロタミンの決定―
上屋敷 繁樹染谷 忠男橋本 和弘
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1998 年 27 巻 2 号 p. 405-408

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抄録
従来より開心術の抗凝固薬としてヘパリンが使われその指標にActivated Clotting Time(以下ACT)が用いられている。しかし、未だに確実な凝固管理ではないという報告も多い。Medtronic社製Hepcon HMSはACTと血中ヘパリン濃度の測定が可能であり、症例ごとのヘパリン感受性に応じて体外循環時の必要なヘパリン量や的確なプロタミン量を決定できる。そしてその使用により開心術後の輸血の軽減、出血の減少が期待できる。そこで、今回我々は従来から行われている方法と比較検討した。従来法にくらべヘパリン総投与量は多かったが、プロタミン総投与量は、有意な軽減が可能であり、同時にACTの正常化と血中ヘパリンの消失が得られた。従来の体外循環で困難であったreal timeのヘパリン濃度測定とプロタミン過剰投与による副作用の軽減のためにも、Hepcon HMSを用いた体外循環は従来法に比べ確実な血液凝固管理が可能と思われた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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