人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
透析器におけるインライン蒸気滅菌の有用性について
大澤 貞利斉藤 辰巳宮田 昌伸久島 貞一
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 29 巻 1 号 p. 147-150

詳細
抄録
透析器の割合は, ウェットタイプとドライタイプを比較した場合, ウェットタイプが圧倒的に多い。その理由の一つとして, ドライタイプはプライミング時のエアー抜けが悪く, プライミングの操作性はウェットタイプのほうが優れているとされることがあげられる。フレゼニウス社製ポリスルフォン膜透析器PS-Fシリーズはドライタイプであり, 滅菌は新しく開発されたインライン蒸気滅菌で行われている。インライン蒸気滅菌は連続的に高圧蒸気が流れるため, 滅菌時に高圧蒸気によるファイバーの洗浄が行え, プライミングが容易であるとされる。インライン蒸気滅菌の有用性を検討するため, F70Sを臨床評価した。その結果, プライミング時のエアー抜けに優れ, 同じタイプの透析膜を使用したウェットタイプ透析器PS-1.6UWに比べポリビニルピロリドンの溶出量は少なかった。したがって, インライン蒸気滅菌は有用であると考えられた。
著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top