容量測定法ニヨル肝臓ノ臓器特異性ニ就テ

抄録

以上ノ實驗ヨリ得タル注意スベキ項目次ノ如シ.
(1) 各臓器浸出液ハ只遠心沈澱シタルノミニテハ使用シ難シ, 必ズ濾過器ヲ使用シ濾過後出來得ル限り速カニ實驗ニ供スベシ.
(2) 各臓器浸出液ヲ作ルニ當り最モ無菌的ニ操作セザルベカラズ, 然ラザレバ雜菌増殖ヲ見ルコトアリ.
(3) 容量ニ於ク主反應ニ比較的近キモノヲ列擧スレバ肺臓肝臓, 子宮粘膜皮膚, 心筋等ナリトス.
以上ハ未ダ研究ノ中途ニアルヲ以テ此ノ後漸次此ノ方面ノ研究ヲ重ヌルニ非ラザレバ漸定的結論ヲ下シ得ルモノニアラズ.