死體現象ニ關スル研究補遺
第4編 健常らつて死後臟器内ニ於ケル細菌檢索(塗抹標本ニ就イテ)
1943 年 37 巻 3 号 p. 201-212
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1943 年 37 巻 3 号 p. 201-212
健常動物死後各臟器ヲ無菌的ニ處理シ,塗抹標本ニ就イテ之等ノ細菌ノ存在數ヲGaffky氏分類法ニ因ツテ,各温度ニ於ケル増殖状態,並ニ死後經過時間ニヨル細菌増多ノ現象ヲ攻究シ,併セテ之等細菌ハ如何ナル臟器ニ多數觀察シ得ラレルカ,ヒイテハ細菌傳播問題ヲ解明セント欲シタ.
今各温度ニ於ケル細菌増殖數ハ明瞭ニ認メ得ナカツタト雖モ一般ニ死後高温ニ放置セル程該存在數ハ同一時間ニ於テ多クナル傾向ヲ認メタ.又死後經過時間ニ就イテ之ヲ觀察スルニ經過時間ノ長イ程細菌數ノ増加ヲ明カニ認メ得ラレタ.而シテ肺,胃,腸ニ於テハ細菌存在數多ク,肝,脾,膵,腎ハ中等位,心,腦,筋ハ下位ヲ示シタ.生前外界ト交通アリシ各臟器ニ多イ結果ヲ得タ事ハ當然ト云ヘドモ,之等細菌ノ侵入門戸ニ就イテハ生前ヨリ存セル細菌ノ繁殖ニヨルモノナルカ,或ハ又上記肺,胃腸ヨリ移行サレタルモノナルカハ今後ノ研究ヲ俟ツテ論斷セラルベキ問題デアラウ.
