日本細菌学雑誌
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細菌感染にもとづくマウス脾臓内T細胞, B細胞の割合の変化
阿相 皓晃斎藤 龍雄堀 英子鶴見 美子田辺 将夫中野 昌康
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1976 年 31 巻 2 号 p. 309-315

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抄録

1. ウサギ抗マウス胸腺細胞血清 (抗T血清) ならびにウサギ抗マウス骨髄細胞血清 (抗MBLA血清; 抗B血清) を作製した。それら抗血清のT細胞, B細胞に対する特異性を補体の存在下でcytotoxicity testにより検討し, じゆうぶんな特異性のあることを確かめた。
2. これら抗血清を用いて, Myhcobacterium bovis BCG, Salmonella typhimurium TV 148, Staphylococus aureus 209Pを感染させたマウスの脾臓内のT細胞とB細胞の割合の変化をcytotoxicity testにより経時的に追跡した。また同時に脾重量も測定した。その結果, BCG感染3~5週後あるいはTV148感染3週後にわずかながらT細胞の割合は増加したが, B細胞の割合には増加が認められなかつた。しかし, それらの加熱死菌を投与したのではT細胞の割合に増加をきたさない。209Pの感染では, むしろB細胞, T細胞の割合はいつれもわずかながら減少した。

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