抄録
茶および茶から精製した(-)エピガロカテキンガレート(EGCg),テアフラビンジガレート(TF3)の白癬菌および酵母様真菌に対する抗菌・殺菌作用を検討した。茶エキス1.25%でTrichophyton mentagrophytesおよびT.rubrumの発育が阻止された。一方,EGCg 2.5mg/mlでは両菌の発育は阻止されなかった。しかし,TF3 0.5mg/mlでは両菌とも発育が阻止された。茶エキスの殺菌作用は濃度,接触時間に依存し,高濃度(5∼10%)で長時間(48∼72h)作用させると両菌に対して殺菌効果が認められた。EGCg 1mg/mlはTrichophytonに対して殺菌作用を示さないのに対してTF3 1mg/mlの場合,接触時間を長くすると殺菌効果が認められた。Candida albicansは茶エキス10%でも発育阻止はみられなかったが,Cryptococcus neoformansは茶エキス10%で菌数を減少させると抗菌作用が認められた。茶エキスはC.albicans, C. neoformansに対して72時間接触でも殺菌作用は示さなかった。