抄録
(1)明治以降我国暖地の首位品種となった神力,旭,農林18号の各1系統を九大附属農場で同一条件で栽培して稈長,穂長,穂数,全重,精籾千粒重の収量に関係した可測的形質を調査して之等形質の変化の推移を検討し,水稲育種の目標を求めようとした。(2)稈長は出現年次の新しい品種ほど短く,穂長は旭では短くなったが農林18号は長くなり,新しい草型となっていることを明らかにした。穂数,全重,穂重は著しい増加の傾向を示し晩神力に対して旭は2割弱,農林18号は5割前後増大した。籾は旭,農林18号とも5%強大きくなっている。