育種学雑誌
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矮性稲の特性と分類 : II. 矮性稲の穂長,節間長についての主成分分析とその品種分類上の意義
上島 脩志
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1974 年 24 巻 6 号 p. 261-268

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抄録
(1)76の矮性稲,22の正常稲,5つの巨大稲を材料として,穂長,節間長に関する相関行列から主成分分析を行ない,矮性稲の生育特徴を明らかにし,これらを分類しようと試みた。(2)主成分分析の結果は,すでによく知られているように第1主成分はsize factorであり,第2主成分は上部伸長型,下部伸長型を区別するshape factorであった。第3主成分は中部伸長型,中部短縮型を区別するshape factorであると考えられた。(3)第2,第3主成分における変異性にもとづき,矮性稲を5つの基本的た生育型に分けることができた。すなわち,I.上部伸長型,II.下部伸長型,III.中部短縮型,IV.中部伸長型,M.中間型である。(4)主成分分析法で分類された冬型は従来の分類とある程度対応させることができ,この手法が優性稲の節間構成における変異の探究とその分類にかなり有効であることがわかった。
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