育種学雑誌
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他殖性植物の採種における対立遺伝子の機会的変動と雑種強勢の喪失
酒井 寛一鈴木 保男
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1953 年 3 巻 2 号 p. 55-58

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抄録

根・葉菜類のような他殖性植物の原種生産に当り,重要な品種特性に関する選抜と,採種のための隔離設備などのため,常に極めて少数の母本がとられると,数代の中にその品種は雑種強勢による優良特性を失う恐れが大きい。これは小さい集団の連続では,雑種強勢に関与する対立遺伝子(染色体)の一方を失うためで,世代数ととり出す母本数に対する上記喪失の確率の関係は第1図に示した。叉このようた経過による雑種強勢の減退は第2図に示した。このようた原因による優良品種の退化を防ぐには,いうまでもなく採種用母本数をできるだけ多くする.亡とである。本文では更に別の方法が提出されている。

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