育種学雑誌
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カメリア属栽培種における葉肉カフェイン,フラバノール,アミノ酸含量の種間変異
永田 忠博酒井 慎介
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1984 年 34 巻 4 号 p. 459-467

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抄録

カメリア属各種植物23種の第一次伸育葉中のカフェイン,フラバノール,アミノ酸含量を,ガスクロマトグラフィーと高速液体クロマトグラフィーをもちいて調査し,主成分分析を行った。チャ節に属するチャ,タリエンシス,イラワジエンシスは5種のカテキン類とテアニンを含有したが,イラワジエンシスにはカフェインが検出されなかった。葉中成分組成からみるとタリエンシスがチャと最も密接な関係があった。テアニン,カフェインは他節の植物中からはほとんど検出されなかった。しかしフルフラセアからテアニンが,またキッシー1系統からカフェインが少量検出された。 フラバノール組成は各節ごとに一定の特徴が認められた。フラバノールのうちエピカテキンガレートとニピガロカテキンガレートはチャ節3種のみから検出された。また大部分の種はエピカテキソが(+)-カテキンより高濃度であるのに対し,ヘテロジェニア節2種とオレイフェラ,鳳山椿は(+)-カテキン含量がエピカチキンを上まわった。さらにサザンカほか2種のガスクロマトグラム上に未同定の4つのピークが現われた。

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