抄録
X線照射によって核の機能を不活化したNicotiana debneyiと無照射のN.tabacum cv. Consolation 402のプロトプラストの融合によって得られた細胞質雄性不稔タバコの後代について農業的な形質の安定性を調査し,細胞融合法による雄性不稔化の実用性を検討した. 30個体の雄性不稔性タバコのうちの26個体について正常な稔性を持つConsolation 402の花粉を交配し戻し交配を進めた.このうち,4系統,A12,B36,C29そしてH39についてはBC3まで,残りの22系統についてはBC2までの後代を得た.これらの系統を供試して2年間にわたり圃場試験を実施した.開花期において,開花までの日数,草丈,全葉数,葉長,葉幅および収量などの生育特性の調査を行った.