育種学雑誌
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モモ,ネクタリン,オウトウ及びスモモの休眠芽茎頂培養における4PUの効果
植松 千代美秋浜 友也
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1987 年 37 巻 3 号 p. 283-290

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抄録

核果類品種の増殖は接木が一般的であるが,茎頂培養で白根苗による急速大量増殖が可能になれば実用価値が高いと考えられる.茎頂培養の成功例はいくつか報告されている.しかしSNIR(1982,1983)が1mmの茎頂を培養した以外はすべて5mm以上の大きな外植片を用いている.増殖だけでなくウイルスフリー化や遺伝資源として茎頂を超低温保存することを目的とする場合には,できるだけ小さな1mm未満の外植片からの培養法の確立が必要である.本研究では核果類休眠芽の茎頂0.5~1.0mmを外植片として用い,培養の確立,増殖,発根の条件について検討した、 基本培地はMs(1962)培地の無機成分(鉄を除く)を1/2濃度とし,他は規定の濃度とした。初代培地は基本培地にホルモン無添加あるいは6-BA 2.0 mg/l,カイネチン2.0mg/l,4PU0.2mg/l,2.0mg/lのいずれかを加えて用いた.固形培地は寒天9g/lを加え,ぺーパーウィック培地は寒天1g/lを加えた液体培地中にろ紙床を置いて使用した.

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