育種学雑誌
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カンキツ類のアイソザイム遺伝解析
平井 正志梶浦 一郎
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1987 年 37 巻 4 号 p. 377-388

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抄録
カンキツ類の種・品種の類縁関係を明らかにするため,葉粗抽出物中のペルオキシダーゼ,ポリフェノールオキシダーゼ,スーパーオキシドディスムターゼおよび穎粒画分のグルタミン酸オギザル酢酸トランスアミナーゼのアイソザイムをポリアクリルアミトゲル電気泳動で分析した.この結果,Px,Ppo,Sod-2,Sod-3およびGot-3の5遺伝子座が明らかになり,前報で分析した3座の分析の結果とあわせて以下の点が明らかになった. キシュウ,ソウキツ,スンキだと中国産のマンダリンはシカイカンを除き全て同一の遺伝子型を示しPxはDDであった.この中国産マンダリンと日本のタチバナの間には前報のMdh-1やGot-2における対立遺伝子の差のほかに新たにPxにおいても差がみられた.このPxの分析からコウジもヤツシロたどと同様にタチバナの遺伝的影響を受けていると考えられた.しかし日本で生じたとされるウンシュウミカンの遺伝子型は中国産マンダリンと全く同じであり,タチバナの遺伝的関与を見い出すことはでぎたかった、一方インド原産と考えられているポンカンではPxがCC,ダンシータンジェリンではCDであり,中国産のものと異なっていた。この結果はRibulose-1,5-bisphosphate carboxylase/oxygenaseの分析でポンカンとウソシュウや中国産のスンキの間に差異を見いだしたHandaらの報告と一致する.以上の結果からマンダリン類の遺伝子には中国,インド,日本の3つの起源のものがあると推定された.
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