育種学雑誌
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X線照射より得られたダイズの高リノレン酸含量突然変異体
高木 胖/ 柳田 晃良草場 直Sunao KUSABA
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1989 年 39 巻 4 号 p. 403-409

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抄録
ダイズ油脂中の脂肪酸はパルミチン酸,ステアリン酸,オレイン酸,リノール酸,リノレン酸の5種類からなっている.オレイン酸とりノレン酸は合わせて約80%を占める主要脂肪酸であり,リノレン酸はリノール酸と共に必須脂肪酸であるが不飽和度が高く,油脂工業の分野では脂質の変敗の大きな原因となりできるだけ含量の低い品種が,食品栄養学的側面からリノレン酸含量は高いことが望まれている.従って,ダイズ品種Bayの種子に25k RのX線を照射してリノレン酸含量に関する突然変異体の誘発を試みた. M2世代の2,006個体について,パルミチン酸,オレイン酸,リノール酸の各含量の広がりは現品種Bayに比べて大きく,放射線処理による変異の拡大が認められた(Fig.1A-C).リノレン酸含量についても同様に高低への変化が認められ,18.4%と高倉'慶:へ大きく変化した変異体が得られた(Fig.1D).高リノレン酸含量の変異体B739は現品種Bayの9.4%に比べて18.4%と約2倍の含量で,他にパルミチン酸,オレイン酸が減少していた(Table1).リノレン酸含量は開花期から成熟期までの豊熟時の気温に大きく影響され,低温での登塾はリノレン酸含量を増加させる.B739は遅い開花期でリノレン酸含量は高くなり,Bay品種との差は開花期を異にしてもその差は常に明瞭であった(Fig.2).M3世代では,B739はBay品種の約2倍のリノレン酸含量を示しており(Table2,Fig.3),B739は高リノレン酸含量の突然変異体であると認めた.
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