1996 年 46 巻 4 号 p. 403-407
組換えDNA技術の発達により,これまでの交雑育種では不可能であったり,非常に困難であった形質を付与した組換え植物の作出が可能になった.これまでに,ウイルス耐性植物(Lawson et al 1990)や耐虫性植物(Perlak et al1990),除草剤耐性植物(De Block et al1987)などが報告されている.さらに,これらに加えて生産物の品質の改善を目的とした遺伝子導入も盛んに研究されている.しかし,これらの組換え植物は,自然界では出現し得ないものであることから,組換えDNAによって予期できない特性や,環境に対する悪影響を示す可能性が指摘されている.こうした理由から亨組換え植物の安全性を評価するための実験指針が定められている.