育種学雑誌
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バラ属2種における胚形成能を持つカルスを経由した葉片からの植物体再生系
Rongrong Visessuwan河合 伸志三位 正洋
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1997 年 47 巻 3 号 p. 217-222

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抄録
バラ属2種(Rosa hybrida cv. Carl Red. R. canina)の葉片をオーキシンを含むMS培地上で培養した。Carl Redでは胚形成能のある淡黄色のカルス(EC)が0.25-5mg/lのNAAを含む培地で形成された。一方テイディアズロン(TDZ)は低濃度(O.05mg/l)でこのEC形成を阻害した。ECを植物成長調節物質(PGR)を含まないMS培地,またはココナッツ水(CW)を100ml/l合むMS培地に移すと,発芽能のない異常な胚が形成され,さらにこの異常胚の集塊をBAまたはTDZを含む培地に移すとシュートが形成された。このシュートはPGRを含まない培地上で発根し,土壌に移植することができた。R. caninaにおいては,高濃度のNAA(O.5mg/l)か2.4-D(10mg/l)含む培地上で胚状の構造がはじめに形成され,それをPGRを含まない培地に移すことにより,発芽能のない異常な胚を含むECが形成された。CWを含むMS培地上ではECから緑色のfriableなカルスも形成された。この緑色カルスを,2mg/lBAまたは0.1mg/lTDZを含むMS培地上に移すと葉原基が形成された.これらの葉原基集塊および異常胚は6g/lゲランガムで固化した2mg/lBAまたはO.1mg/lTDZを含むMS培地に移すことによりシュートを再生した。発芽能力を持った正常な体細胞胚も0.1mg/lTDZと69/lゲランガムを含む培地でシュート形成と同時に異常胚から形成された。
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