抄録
バラ属2種(Rosa hybrida cv. Carl Red. R. canina)の葉片をオーキシンを含むMS培地上で培養した。Carl Redでは胚形成能のある淡黄色のカルス(EC)が0.25-5mg/lのNAAを含む培地で形成された。一方テイディアズロン(TDZ)は低濃度(O.05mg/l)でこのEC形成を阻害した。ECを植物成長調節物質(PGR)を含まないMS培地,またはココナッツ水(CW)を100ml/l合むMS培地に移すと,発芽能のない異常な胚が形成され,さらにこの異常胚の集塊をBAまたはTDZを含む培地に移すとシュートが形成された。このシュートはPGRを含まない培地上で発根し,土壌に移植することができた。R. caninaにおいては,高濃度のNAA(O.5mg/l)か2.4-D(10mg/l)含む培地上で胚状の構造がはじめに形成され,それをPGRを含まない培地に移すことにより,発芽能のない異常な胚を含むECが形成された。CWを含むMS培地上ではECから緑色のfriableなカルスも形成された。この緑色カルスを,2mg/lBAまたは0.1mg/lTDZを含むMS培地上に移すと葉原基が形成された.これらの葉原基集塊および異常胚は6g/lゲランガムで固化した2mg/lBAまたはO.1mg/lTDZを含むMS培地に移すことによりシュートを再生した。発芽能力を持った正常な体細胞胚も0.1mg/lTDZと69/lゲランガムを含む培地でシュート形成と同時に異常胚から形成された。