育種学雑誌
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スギのアイソザイム遺伝子座と矮性遺伝子座間の連鎖分析および致死遺伝子の検出
倉本 哲嗣戸丸 信弘村井 正文大庭 喜八郎
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1997 年 47 巻 3 号 p. 259-266

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抄録

これまでに,スギではRFLP,RAPDマーカーなどを用いて連鎖地図の作成が行われている。この連鎖地図を高密度で,かつ正確な地図距離にする基礎情報を得る目的で,13酵素種を支配する15アイソザイム遺伝子座間,およびアイソザイム遺伝子と各種形質を支配する遺伝子座間の連鎖分析を行った。さらに,アイソザイム遺伝子座における遺伝子型の分離数の偏りから,致死遺伝子座の検出を行った。連鎖分析を行った結果,アイソザイム遺伝子座間では,Shd-2:6Pg-1(組換価;r=0.382),6Pg-2:Lap(r=0.477),G6p:Pgm-2(r=0.409),Dia-3:Est-1(r=0.293),Mnr:Lap(r=0.365)の連鎖が推定された。また,ボカスギ×クモトオシ交雑家系で観察された矮性形態を支配する遺伝子座(dw-1)とアイソザイム遺伝子Shd-1は組換価0.318で連鎖していた。致死遺伝子座の検出を行った結果,6Pg-1,G6p,Dia-3,Aco,Lapのアイソザイム遺伝子座の近傍にはそれぞれ1個の致死遺伝子座が存在すると推定され,特にG6p,Dia-3,およびLapの近傍には非常に高い確率で致死遺伝子座が存在すると推定された。

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