臨床化学
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乳酸脱水素酵素活性測定の精度管理
アイソザイムLD1測定を指標として
吉国 桂子谷島 清郎鄒 紅山岸 高由
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1998 年 27 巻 2 号 p. 93-98

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抄録
乳酸脱水素酵素 (LD) アイソザイムの多様性から生ずる活性測定値の試薬間差ないし方法間差を是正するため, 部分精製したLD1を管理物質として, 試料中のアイソザイムLD1活性を測定することを試みた。耐熱菌, ヒト赤血球, ラット心筋のLD抽出液について性状を検討したところ, ラットLD1が熱に安定であり, ヒト血清のLD1と電気泳動易動度, Km値などの物理化学的性状が近似しており, 酵素標準物質として妥当であった。これを標準物質として各種試薬を用い, ヒト血清, 管理用血清の総LD活性およびLD1活性を測定した。乳酸を基質とした試薬間での収束度はLD総活性で0.8~2.0%, LD1活性で0.2~3.6%となり, ピルビン酸を基質とした方法間での収束度はLD総活性で5.8~7.8%, LD1活性で0.7~6.3%となり, 施設問是正における指標としてのLD1活性測定の有用性が示された。
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© 日本臨床化学会
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