2008 年 37 巻 1 号 p. 63-67
われわれは, ノイラミニダーゼ処理とプロテアーゼ処理を行った試料を用いてALPのアガロースゲル電気泳動を行い, 骨型ALP (BAP) 分画活性値を求めた。その結果, 高分子小腸型ALP (HLAP) はBAP分画と重なる位置に検出された。また, HIAPを含む検体をプロテアーゼ処理するとα2β位のBAPが減少し, β位の低分子サイズの通常の小腸型ALPが増加したことから, アイソザイム検査に用いる試料をプロテアーゼ処理することが必須であると考えられた。なお, プロテアーゼ処理試料を用いたアガロースゲル電気泳動法から求めたBAP分画活性値は, ELISA法より求めたBAP活性値と高い相関 (r=0.982) があったことから, 臨床評価に充分耐えられる方法と考えられた。