2005 年 2005 巻 790 号 p. 790_35-790_48
日本列島は海に囲まれ, 重要な社会経済基盤がゼロメートル地帯に集積しているため, 地球温暖化に伴う海面上昇が海岸帯水層中の地下水システムに及ぼす影響を予測しておく必要がある. そこで, 地表湛水の処理が可能で, 地表面が傾斜した地域へも適用できる塩水浸入解析のための数値解法, SIFEC (Salt-water Intrusion by Finite Elements and Characteristics), を開発した. 本法では, 密度流を解析するためのガラーキン型有限要素法と物質輸送を解析するための特性曲線型有限要素法を連成させ, 移流方程式の解析においては濃度補間の精度を向上させるため, single-step reverse particle trackingに双2次内挿スキームを採用している. 本法の解析精度を検討するため実験結果および他の解析結果と比較したところ, 極めて良好な結果が得られた.