土木学会論文集
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和文論文
流動性リスクと地震保険需要
大西 正光横松 宗太小林 潔司
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2005 年 2005 巻 793 号 p. 793_105-793_120

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抄録
本研究では危険中立的な企業の地震保険保有行動を流動性需要に基づいて説明する. 具体的には, 企業の地震保険保有行動を借入制約を考慮した3期間モデルを用いて定式化する. 企業が初期投資を実施し, その収益を回収するまでの期間内に地震が発生した場合, 企業は緊急に流動性資産を調達する必要がある. しかし, 企業が負債を抱えている場合, 追加融資の調達が困難になる過重債務問題が発生する可能性がある. 地震保険は, 地震発生時に生じる過重債務問題を克服するための手段になる. さらに, 地震保険保有により生じるモラルハザード問題を分析し, モラルハザードと過重債務問題を同時に克服しうるファイナイト契約について考察する.
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© 2005 公益社団法人 土木学会
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