2005 年 2005 巻 793 号 p. 793_13-793_25
本研究では, 今後建設が計画・予定されている高規格幹線道路網を対象として, 複数の段階的整備プロセス決定基準を設定し, これらの基準に従う高規格幹線道路網の段階的整備プロセスを明らかにした. そして, 各整備プロセスを社会経済的効率性, 事業者の採算性, 国土の均衡ある発展という3つの観点から比較考察した. その結果, 長期的に整備プロセス全体を評価しネットワークの整備プロセスを決定する, もしくは, ネットワーク形成の各段階で実施プロジェクトを動的に決定することにより, 社会経済的効率性, 事業者の採算性を大きく改善し得ること, 国土の均衡ある発展に資するという観点のみから整備プロセスを決定した場合, 社会経済的効率性や事業者の採算性は大きく低下することを明らかにした.