2005 年 2005 巻 796 号 p. 796_81-796_92
本論文では, 都市内河川周辺住民に対する河川意識調査により, 住民の望む河川整備要因を把握した. その整備項目をもとに8つの整備案を立案し, コンジョイント分析による整備効果の解析を行った. さらに, 整備案に対するライフサイクルコストを定量し, コンジョイント分析の全体効用値を効果とする費用効果分析により今後の都市内中小河川の環境整備の方向について検討を行った. 因子分析にもとづく整備案より得られた結果, 今後の河川整備方向として, 水質, 見た目の大幅な改善ができない場合には, 快適環境と自然環境の向上を図れる広場を有した緑化護岸整備と安全性を確保する街灯整備などが重要であることを明らかにした.