抄録
本研究では, 一般廃棄物から生成される都市ごみ溶融スラグのコンクリート用骨材としての適用性を検討するために, 異なる過程により生成された4種類のスラグを用いて化学成分及び物理的性質に関する試験, モルタルによる各種試験を行うとともに, 粒子の硬さや形状の改善を目的とした磨砕加工の効果について検討した. その結果, スラグの化学組成はほぼ同様の成分比であったが, 物理的性質には差が生じること, 普通骨材と比較してモルタルのブリーディング及び空気量が増加すること, 磨砕加工により物理的性質及びコンシステンシーの改善が可能であるが, 圧縮強度が低下することを示した. また, 圧縮強度低下の原因として, スラグ表面の平滑さに起因する付着の低下について考察した.