抄録
浸透性側壁を有するワンド流れにおいて, PIVによる瞬間流速計測およびLIFによる濃度変動計測を実験水路で行った. 実験条件として, 浸透流を4パターンに分けてワンド内部に流入させた. すなわち, (1) 上流壁から浸透させたケース, (2) 側壁から浸透させたケース, (3) 下流壁から浸透させたケースおよび (4) 上流壁・側壁・下流壁から同時に浸透させたケースである. その結果, ワンド内部で発生する大規模な循環渦の周辺では低濃度分布が確認された. 一方で, ワンド内部上流域の低速度領域で高濃度分布が確認された. さらに, ワンド周辺で発生する組織渦をウェーブレット解析で抽出し, 渦規模と物質輸送量との関連性を論及した. その結果, 組織渦の規模が大きくなるほど, 物質輸送量が増加することが明らかとなり, 定量的に評価することができた.