1953 年 1953 巻 16 号 p. 22-28
開水路における流れは管路と異なり自由表面をもつているので水面に波が発生し, これが開水路乱流の抵抗法則にある程度関係するであろうということは一般に考えられることである。このような考えに基づいて, 流れの不安定性と乱れの混合距離とを結びつけ, 壁面近くの流れをあらわす Prandtl の式より流速分布を計算し, 開水路乱流の抵抗法則に Reynolds 数の外に Froude 数を導入したものである。この理論によつて, 滑面水樋による著者等, 松尾博士及び Powellの実験の結果を常流及び射流のすべての範囲にわたつて説明することができ, 管路における乱流と開水路乱流の抵抗法則の相違を明らかにすることができた。