1961 年 1961 巻 75 号 p. 37-46
鉄道における曲線, すなわち円曲線および緩和曲線の整正には, かなり以前から主として糸張式曲線整正法が用いられてきたが, 近年この従来の手作業による糸張式曲線整正法を機械化して軌道検測車または軌道試験車などにより, いわゆる “軌道狂い” なるものを測定することが, ますます盛んに行なわれるようになった。
このような状況にかんがみ, このさいまず糸張式 (移動弦) 曲線整正法自体の原理的精度について, 再検討を加え, 測定結果の評価限度を明確にすることが必要であろうと考えられる。本稿は以上のような見地から, 糸張式 (移動弦) 曲線整正法自体の原理的精度について, 誤差論的に再検討を加え, 測定結果の評価限度を示したものである。