土木学会論文集
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上下地盤動を受ける吊橋の振動
久保 慶三郎
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1961 年 1961 巻 75 号 p. 69-76

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抄録

正弦波振動で表わされる地盤の橋軸方向の水平振動を受ける吊橋の振動について, 実験的ならびに理論的に解析した結果はすでに第2回世界地震工学会議9で発表した。この理論の妥当性ならびに, 吊橋の振動性状を明らかにするために, 全長548cmの模型吊橋を製作し, この模型について橋軸方向の水平振動実験を行なった。この実験により著者の理論の妥当性を確かめることができたので, 同一の考え方で上下方向の地盤動を受ける吊橋の振動の理論的解析, さらに現在建設中の若戸大橋の諸次元を用いて数値解析を施した。
橋軸に直角方向の水平地盤動を受ける吊橋の問題は, 吊橋の水平横抵抗が, 大きい風荷重に対してかなり検討されていること, および吊橋の横振動は旧タコマ橋にみられるように逆対称の振動が起こりやすく, そのために補剛桁のみに大きい応力, たわみが発生することなどを考え本論文では研究しなかった。なお地震の水平動と上下動との加速度の比を過去の記録について調査した結果も述べた。本文で取扱った吊橋の種類および解析の対象は側径間の補剛桁の有無, 塔頂におけるケーブルと塔との結合状態などの組合わせ4種類である。

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