土木学会論文集
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固定壁に対する砂の振動圧
畑野 正
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1962 年 1962 巻 80 号 p. 43-52

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抄録

基礎において固定され上部においてわずかに変位することのできる壁体の前面に砂があるときの壁体に対する振動圧について実験した。
乾燥砂の場合静圧は振動のつど変化し, かつ最初の三角形圧力分布も大きくくずれてしまうが, 壁面上のある点における動圧はその点の加速度とほぼ一定の関係に整理されかつ表面からの深さにはあまり影響されないで壁底からの高さにより大きさがほぼ定まる。また動圧の分布は壁底から上部に到るにつれて大となり, 各点における大きさは加速度の1.2~1.4乗に比例している。著者はこれらの関係から加速度によって滑り面の定まるCoulombのクサビを考えこのクサビ部分の質量が壁体に動圧を生ずると説明しようと試みた。
水で飽和した砂の場合静圧は振動によって大きな変化はせず, 最初の三角形分布をほぼ保ち動圧も乾燥砂の場合と同様の傾向を示した。また透水係数の相当大きな砂の場合でも動圧振巾は砂表面近くを除き動水圧振巾より小なる値を示し, 飽和砂の動圧は動水圧を分離しないで乾燥砂と同様に取扱うと便利であることを示した。

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